友達同士のちょっとしたトラブルから、中学進学後に不登校になる
小学5年の時、友達関係のトラブルから仲良しグループが分裂し、学校での居心地が悪くなってしまいました。でも、私は男子と一緒にサッカーをするような活発な子だったので居心地が多少悪くなっても「負けるもんか」と思い、なるべく気にしないようにしていました。
ところが、仲の良かった友達が別の中学へ進学し、さらにコロナ禍によって中学入学後はしばらく分散登校が続いたことで少しずつ精神的に不安定になり、学校へ行こうとすると体調を崩すようになってしまいました。朝起きた時点で体調が悪く、朝食も喉を通りません。同じようなことがあっても、小学生の時はゼリーを食べてごまかしていましたが、ゼリーすら食べられなくなりました。なんとか登校しても周囲の視線が気になり、次第に人と話すのも怖くなって、性格も内向的になりました。そして、中学1年の夏休み明けから不登校になってしまいました。
体調不良や食事ができないことについて病院で検査したところ、起床時に心拍数が上がっていることから「心の問題」と判明しました。それから精神科へ通院し、カウンセリングを受けることで少しずつ体調を整えていきました。
不登校中に転機が訪れたのは、中学卒業後の進路として母親が通信制高校を勧めてくれた時です。全日制高校は体力的に厳しそうだが、大学には進学したいと思っていたため、「高校は大学に行くための充電期間にしよう」と、通信制高校への進学を検討し始めました。
中学2年の夏に通信制高校の合同説明会に参加し、サポート校の教育アカデミー高等部の話を聞きました。こちらの話にも優しく耳を傾けてくれて、「自分に合っている」と直感しました。そして、卒業後は教育アカデミー高等部へ入学しようと決めました。
行きたい学校が見つかったことで進学先の心配はなくなりましたが、一つだけ懸念がありました。多くの通信制高校やサポート校には、全日制高校ほど大規模な学校行事がありません。つまり、学校行事を楽しみたいなら中学までに経験しておく必要がある、と思ったのです。
そこで、修学旅行に行くことを目標に中学3年の4月から復学しました。不登校中も連絡をくれていた友達のおかげで新しい友達もでき、無事に京都・奈良への修学旅行に参加できました。修学旅行の一番の思い出は、帰りの新幹線の車中で、同じクラスだったもののそれまで全く関わりのなかった子が「隣に座っていい?」と話しかけてくれ、そのことがきっかけとなってすごく仲良くなったことです。頑張って復学し、修学旅行に行けて良かったと思えた瞬間でした。

意外にも学校行事が多く、文化祭や体育祭の実行委員にチャレンジ
現在は教育アカデミー高等部の横浜西口キャンパスに在籍し、週4午前コースに通っています。登校日は月・火・木・金、授業は13時までです。火曜と金曜は運動部で活動し、近所の公園でサッカーやバレーボールを楽しんでいます。また、友達と写真部も立ち上げました。 放課後は友達とレポートをしたり、カラオケに行くことが多いです。学校がない日は習い事のピアノやアルバイトをしています。
横浜西口キャンパスは駅前という立地からいろいろな生徒が集まっており、キャンパスもにぎやかです。入学前は「学校行事が少ないはず」と思っていましたが意外と多く、文化祭や体育祭、球技大会、ゲーム大会、BBQなど毎月何かしらのイベントが開催されています。
全日制高校の学校行事に憧れていたので私も学校行事には積極的に関与し、文化祭と体育祭では実行委員を務めています。特に文化祭では限られた予算の中で、できる限り楽しくしようと自分たちで展示物などを決めて盛り上げました。細かいことまで全て自分たちで決めていき、大きなトラブルもなく成功に導けた時は本当に嬉しかったです。

充電期間と捉えていたサポート校。でも、自由な環境が私を変えてくれた
教育アカデミー高等部に入学して改めて思うのは、通信制高校やサポート校は生徒一人ひとりの個性を認めてくれ、好きなことを好きなだけできる自由な環境であるということです。 中学の時は周囲の目を気にしすぎて「周りに合わせなきゃ」と思い込みプレッシャーを感じていましたが、今は周りに個性豊かな生徒が多いので「みんなに合わせなくても良いんだ」と思えるようになり、気持ちが随分と楽になりました。自由度の高い、教育アカデミー高等部の環境が私を変えてくれたんです。
親が子育て支援の仕事をしているため、私も子どもに関わる仕事をしたくて大学では幼稚園教諭と保育士の資格を取ろうと考えています。総合型選抜で大学受験に挑むために学習塾にも通い始め、今は英検2級の取得を目指して勉強も頑張っています。 また、世の中には親との関係が上手くいっていない子が一定数いることを知り、そこから、子どもに関するさまざまな問題に目を向けるようになりました。深刻な社会問題である虐待にも関心を抱いており、ゆくゆくは虐待を受けている子どもたちを支援する活動にも取り組みたいと思っています。一人でも多くの子どもが幸せになれることを目指し、大学で多くのことを学びたいです。

取材日:2025年2月
本記事内で話されていることは、個人の体験や感じ方によるものです。現在の学校のカリキュラムや学習の進め方とは異なる場合があります。
メディア紹介
オフィシャルサイト
10代の若者の学びへの価値観や彼らが抱える悩みへの認識には世間との大きなギャップがあります。この問題を解決に導くため、みんなでもっと自由に語りあえるようになれば今よりもちょっとだけ良い世の中になる気がする、そんな思いでさまざまな立場からのリアルな声を届けていきます。
プレマシードについてGo通信制高校

多様な角度から通信制高校やサポート校、技能連携校、高等専修学校を紹介するポータルサイトです。偏差値や知名度など単なるスペックの比較ではなく、10代の悩みややりたいことは個性としてとらえ、それを解決する学校の個性とのマッチングを目指します。