不登校に関する調査

もし自分の子どもが不登校になったら!?
不登校経験者の回答から判明した家族ができることは「家庭内のストレスを取り除く」「第三者を介入させる」不登校未経験者も80%近くが通信制高校への入学や転入、就職などを尊重

2023.08.22

10代の若者に多様な学びの選択肢を提案し、未来の可能性が限りなく広がることを目指す株式会社プレマシード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:岩田 彰人)は2023年6月3日(土)~6月5日(月)に「不登校に関する調査」を行いました。

第1弾では不登校への理解が深まり、不登校という選択をしやすい環境になった、相談しやすい環境になったということを知れる調査となりました。今回は、もしお子さまが不登校になったら、家族としてできることなどに関して調査を行いました。

  • もし自分の子どもが不登校となり、学校を休むことになった場合、家族として何をするかを聞くと、「ゆっくり過ごすことを勧める」が最も多い。「家庭内のストレス要因を取り除く」「カウンセリングを受ける」「教育機関と連携し支援を受ける」に関しては、不登校経験者が10ポイント以上多く回答。
  • 子どもが不登校になった際に誰に相談するかを聞くと、最も多い回答は「カウンセラー」となり34.3%が回答。不登校経験者は家族を含め、多くの選択肢で高い数値となっている。
  • 子どもが一般的な進学以外を選択したとしても、意見を尊重するかと聞くと、82.5%が「はい」。不登校経験者は93.7%が「はい」と回答。一般的な進学以外を望んでいたのかもしれない。
  • [保健室登校][フリースクール][通信制高校]の認知は半数以上だが、[サポート校]に関しては3割程度。
Q1もしあなたご自身のお子さま※が不登校となり、学校を休むことになった場合、下記の項目についてどの程度心配になりますか。(単数回答/n=600)
※お子さまがいない場合でも、ご自身のお子さまがいると仮定してお答えください。
社会性が身に付かないのではないか
社会性が身に付かないのではないか
友だちができないのではないか
友だちができないのではないか
コミュニケーション能力が低下するのではないか
コミュニケーション能力が低下するのではないか

まずは、もしお子さまが不登校となり、学校を休むことになった場合、各項目についてどの程度心配になるかをお聞きしました。その結果、どの項目も半数以上が「心配」「やや心配」と回答する結果となりました。自身の不登校経験で比較をすると、不登校の経験がある方が10ポイント以上多く回答しています。自身の経験により、不安視する声が多いのではないでしょうか。

Q2もしあなたご自身のお子さまが不登校になった場合、家族として何をしますか。(複数回答/n=600)
あなたのお子さまが不登校になった場合、家族として何をするか
あなたのお子さまが不登校になった場合、家族として何をするか

もしお子さまが不登校になった場合、家族として何をするかを聞くと、最も多い回答は「ゆっくり過ごすことを勧める」となり56.5%が回答しました、とくに不登校経験者は63.8%が回答しています。自身が求めていたことなのかもしれません。ポイント差が高かった項目は「家庭内のストレス要因を取り除く」「カウンセリングを受ける」「教育機関と連携し支援を受ける」となっています。

Q3もしあなたご自身のお子さまが不登校になった場合、どのような進路・学習方法を勧めるかをお答えください。(複数回答/n=600)
あなたのお子さまが不登校になった場合、どのような進路・学習方法を勧めるか
あなたのお子さまが不登校になった場合、どのような進路・学習方法を勧めるか

もしお子さまが不登校になった場合、どのような進路・学習方法を勧めるかを聞くと、「自宅での学習」が最も多く45.2%となりました。次いで「フリースクールや通信制高校など」と続く結果となっています。「フリースクールや通信制高校など」は不登校の経験の有無にかかわらず高い結果となっており、全日制の学校に通う以外の選択肢を持ちやすくなってのではないでしょうか。

Q1の回答からは、不登校によって社会性とコミュニケーション能力の低下、友人関係が希薄になる点が不安視されているとわかります。不登校経験の有無によってポイント差も大きく、これは学校が社会の接点として機能しており、不登校経験者は社会との接点を持たないことで上記3点が低下したと感じているようです。
Q2の回答では、「家庭内のストレス要因を取り除く」、「カウンセリングを受ける」、「教育機関と連携し支援を受ける」という点のポイント差が大きいです。家族という近い関係性がストレスになり、改善策として第三者に相談することが重要だったとわかります。Q3の回答からも不登校になったときはフリースクールや通信制高校を活用することが一般的になっており、全日制高校以外の選択肢を選びやすくなっているようです。

Q4もしあなたご自身のお子さまが不登校になった場合、あなたは誰に相談しますか(すると思いますか)(複数回答/n=600)
あなたのお子さまが不登校になった場合、誰に相談するか(すると思うか)
あなたのお子さまが不登校になった場合、誰に相談するか(すると思うか)

もしお子さまが不登校になった場合、誰に相談するかを聞くと、最も多い回答は「カウンセラー」となり34.3%が回答しました。次いで、「母親」「学校の先生」と続きます。不登校経験者は家族を含め、多くの選択肢で高い数値となっています。

Q4は不登校になった際の相談先についての質問です。この質問では不登校経験の有無によって大きな差が表れました。不登校の経験がある方はカウンセラーや親、保健室の先生に相談するという回答が多く、一方で不登校経験のない方は学校の先生や友人・知人が多くなっています。
不登校になるということは、主に「教室で過ごす時間に問題がある」ということです。そのため、経験者は「教室内で問題を抱えていることを自分の担任やクラスメイトには相談しにくかった」と感じていたことがこの結果からわかります。カウンセラーや保健室の先生に相談する割合が高いのも、教室以外の学校関係者に助けを求めたからでしょう。家族に相談した割合も高いので、子どもが不登校になった際は、まず家族で話しやすい環境をつくり、その上で第三者に頼ってください。

Q5あなたのお子さまが一般的な進学以外※を選択したとしても、お子さまの意見を尊重しますか。(単数回答/n=600)
※退学・進学せずに就職・通信制高校への入学・転入することなど。
あなたのお子さまが一般的な進学以外を選択したとしても、意見を尊重するか
あなたのお子さまが一般的な進学以外を選択したとしても、意見を尊重するか

お子さまが一般的な進学以外を選択したとしても、お子さまの意見を尊重するかと聞くと、82.5%が「はい」と回答しました。不登校経験者は93.7%が「はい」と回答しています。

Q6各項目に対する認知をお答えください。(単数回答/n=600)
[保健室登校]の認知
[保健室登校]の認知
[フリースクール]の認知
[フリースクール]の認知
[通信制高校]の認知
[通信制高校]の認知
[サポート校]の認知
[サポート校]の認知

各項目の認知をお聞きすると、どの項目も不登校経験者の認知が高い結果となりました。しかし、[サポート校]に関しては「詳しく知っている」「何となく知っている」と回答した方が36.7%、不登校経験者でも54.3%とあまり高くない結果となりました。

Q5では不登校経験がない方も80%近くが通信制高校への入学や転入、就職などを尊重すると回答しています。また、Q6でも通信制高校に対する認知度は極めて高いことがわかりました。コロナ禍で通信制高校への入学者は24万人に急増しており、通信制高校という新しい学び方があるという認知が進んだからではないでしょうか。 一方で、通信制高校に通う生徒の学習面や生活面をケアするサポート校はまだあまり知られておらず、不登校経験者の認知も半数程度です。「学校には行きたいけど、教室に入れない」という生徒のための保健室登校、家と学校以外の第三の場所を提供して復学や自立を促すフリースクールの認知度も十分に高いとは言えず、これからも認知拡大に向けた働きかけが必要です。

Q7不登校の子どもに対してあなたが言いたいこと・アドバイスをお答えください。(自由回答/n=600)
  • 辛い時は大人を頼って無理しなくていい。(27歳/女性)
  • 学校に行くことだけが全てじゃない。(28歳/女性)
  • 不登校は悪いことじゃない。(27歳/男性)
  • 不登校になる理由は人それぞれだから、あえて深掘りして聞いたり、怒ったりすることはない。ただ、せっかく学校に通わないという選択をしたのならば、他の周りの学校に通う生徒と差をつけるために趣味や自分のしたい学びを存分に楽しんで欲しいと思う。多様性の時代だから深く考えこまないで自分らしく頑張って行こう!とアドバイスを送りたい。(23歳/男性)
  • 広い世界を見て、様々な体験をしよう。学校のことは考えなくていい。(28歳/男性)
  • 学校には行かなくてもいい。また勉強したいと思えばいくらでも方法はある。(18歳/女性)
  • 保健室とか行けるところからでも来てみてもいいと思う。味方は必ずいる。(14歳/女性)

不登校の子どもに対して言いたいこと・アドバイスを聞くと様々な回答が集まりました。不登校は悪いことじゃない。無理をしないで。というコメントが多く集まっています。

Q7では、「不登校は悪いことじゃない」「辛いときは大人を頼っていい」という、あたたかく応援するアドバイスが多く寄せられました。また、不登校になったことをきっかけにして自分らしい学び方や体験を推奨したり、多様性を肯定的に捉えるアドバイスもありました。
SNSの隆盛によって学校では生徒同士の人間関係を把握することが以前よりも難しくなっており、人間関係の悪化によって不登校になる子どもは後を絶ちません。不登校が誰にでも起こるものになってしまったからこそ、不登校自体は決して悪いことではないという認識が広まりつつあるのかもしれません。また、集団での学びが合わないと感じている子どもにとって、通信制高校やサポート校、フリースクールといった新しい学びの形も選択しやすくなっているように感じられます。

不登校が悪いことと捉えられず、自分らしい学び方や多様性を肯定する流れになっているのは喜ばしいことです。しかし、その中で不登校になった当事者にしかわからない苦しみがあることも事実です。その「当事者にしかわからない苦しみ」が今回の調査におけるポイント差となって表れています。 誰もが不登校になる可能性があるのなら、不登校になっても本人や家族だけが悩みを抱えるのではなく、第三者が積極的に介入して改善を図る体制をつくらなければなりません。保健室登校やサポート校の認知度もまだまだ不十分なので、いまある制度や環境をこれまで以上に周知していくと共に、社会全体で支えていける仕組みづくりが求められているのではないでしょうか。

調査概要

調査の方法インターネット調査

調査機関株式会社プレマシード

調査の対象全国の10歳~29歳の男女300名、40歳~59歳の男女300名

有効回答数600名

調査実施日2023年6月3日(土)~6月5日(月)

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