目次
- 01通信制高校に入学した理由やきっかけ
- 02不登校や学校に馴染めなかった経験
- 03なぜ、今の通信制高校に入学したのか
- 04通信制高校の偏見について
- 05通信制高校って、どんな感じだった?
- 06通信制高校の学習方法、日々の生活
- 07通信制高校のスクーリングについて
- 08通信制高校の学校生活で楽しかったこと
- 09学校以外で活動したこと、夢中になったことは何かありますか?
- 10通信制高校(学校内外)で友達が出来た?恋愛をした?
- 11通信制高校に入学した経験から考えるメリットとは
- 12通信制高校に入学した経験から考えるデメリットとは
- 13進学、就職の進路について
- 14やりたいこと、夢
- 15悩める後輩・わかっていない大人たちへのメッセージ
海外の高校に行くもコロナ禍の影響で帰国。自分のペースで学べる通信制高校へ
中学の時に人間関係のトラブルから不登校になりました。中学卒業後はもともと興味があった海外へ留学しようと決めていて、卒業直前にオーストリアへ渡り、現地の高校に入学するために英語を勉強しました。オーストラリアでの生活はとても快適で、ここでなら自分らしく過ごせそうだと感じて現地での高校生活を楽しみにしていましたが、コロナウイルスの流行によって強制帰国に。しばらくはオンラインで授業を受け、海外へ渡航できる段階になってカナダの高校へ転入しました。カナダを選んだのは国籍が多様でフレンドリーな雰囲気に惹かれたからです。ところが、カナダの高校では語学力を高めるクラスに入っていたこともあり周囲にはアジア圏、特に中国からの留学生がほとんどで、英語より中国語の方が頻繁に聞こえてくる環境でした。現地の人よりも留学生同士の交流が増え、当初の希望とは異なる状況に。その上ホストファミリーともうまくいかず、ホームシックになってしまい再び帰国しました。
オーストラリアとカナダの経験を経て、こうなったら日本で高校に通おうと決意。姉が通信制高校に通っていたので通信制高校のことはなんとなく知っていて、特に抵抗感はありませんでした。ただ、日本で高校生活を送っていなかったので「勉強に付いていけるのか」という不安があり、留学の影響ですでに同級生から1学年分遅れていたので「日本の高校に転入すると通信制高校でも2年遅れてしまうのではないか」という懸念もありました。そこで通信制高校の合同説明会に参加していくつかの学校に相談した結果、代々木グローバル高等学院が1年分の遅れで済むようにスピーディーに手続きをしてくれ、先生たちのことも信頼できると感じて入学を決めました。
執拗ないやがらせを受け、別室登校も拒否されて不登校に
小学生~中学生の期間は友人関係で辛いことがいくつかありました。周囲から見ると「いじり」や「からかい」だったかもしれませんが、私自身は嫌な思いを抱きましたし、周りが笑っていると自分も笑わなければならないような気がしてはっきり嫌とは言えず、その結果、学校を休みがちに。そして、中学1年次の後半から2年に進級するまで不登校になりました。不登校の時に「別室登校をしたい」と先生に話したことがあります。ただ、別室登校に対する考え方が先生と違い、「太田さんは保健室より教室に居た方が良い」と言われてしまいました。先生は教室で楽しく過ごせるはずだと思ってくれたのでしょうが、私としてはそれまで通り教室に登校するのは難しい段階になっていました。
この時期の唯一の救いは、「学校に行きたくないなら行かなくて良い」と母親が言ってくれたことです。そして、学年が上がりクラスが変わったこと、新しい担任の先生が別室登校を認めてくれてスクールカウンセラーと話すようになったことで少しずつ前向きな気持ちを取り戻していきました。別室登校は1日中他の教室に居るわけではなく、基本的には教室で授業を受け、教室に居続けることが辛くなったら退避できる、というものでした。スクールカウンセラーに気軽に相談できたので、学校における心の拠り所となり、ずいぶん気持ちが楽になりました。
卒業後はもともと興味のあった海外へ行きたいと思っていましたが、不登校経験者の留学を支援するエージェントを見つけ、オーストラリアの高校へ入学しようと決意。ここでも母親が後押ししてくれ、一緒に留学先や費用を調べてくれました。
迅速な転入対応に安心感を抱き、代々木グローバル高等学院へ入学
中学での不登校、オーストラリアとカナダへの留学を経験し、日本で高校に通うなら通信制高校が良いのかなと思っていました。日本で高校生活を送ったことがなかったので全日制高校だと勉強に付いていけるか不安でしたし、姉が通信制高校に通っていて学校の雰囲気などを聞いていたので抵抗感がなかったからです。ただ、それぞれの学校がどういう特色をもっているのかまではわからなかったので、どの通信制高校が自分に合っているのか確かめるために母親と合同説明会に参加。留学に強い学校や英語教育に力を入れている学校を中心にいくつかの学校の先生と話しました。
海外の高校は秋入学なので留学すると同級生と卒業時期がずれてしまいます。私もすでに1年遅くなっていて、早く転入先を見つけなければ2年遅れてしまう可能性もありました。そうした事情も考慮してくれ、すぐに転入手続きをしようと言ってくれたのが代々木グローバル高等学院でした。当時はカナダでホームシックになったことが嫌な記憶として残っていたので3度目の留学に行こうとは思っていませんでしたが、これまで培ってきたことを活かすなら留学に強い学校ですし、やっぱり英語が好きだと感じたので代々木グローバル高等学院への入学を決めました。
グループワークを通して友達に。ネガティブな口コミは気にしない方が良い
姉の一人が通信制高校に通っていたので入学前から通信制高校に悪い印象をもっていませんでした。姉は内気で大人しく中学で不登校になったこともありましたが、そんな姉が「いろいろなこがいるから楽しいよ」と話していたので、誰もが自分らしく過ごせる場所なのだろうと良いイメージを抱いていました。
通信制高校への入学を前向きに捉えられたのは、相談していた母親が私の決断を尊重してくれたこと、父親や姉も通信制高校に入学することを後押ししてくれたことが大きかったです。家族に応援してもらうと「この道でいいんだ」と信じることができますし、誰にも反対されなかったので迷いもありませんでした。
代々木グローバル高等学院の東京校ができ、その後に入学したのは私たちが最初でした。通学コースで週5日登校しているのは6人しかいませんでしたが、それでも私は人見知りで、3週間ほどは誰とも話さず休み時間もずっとスマホを見ていました。ただ、英語の授業はグループで学ぶ機会が多く、少人数のクラスだったこともあり少しずつお互いを知り仲良くなれました。いまでは後輩ともフレンドリーに接しています。
入学前に掲示板などで通信制高校を調べた時はネガティブな口コミも目にしましたが、実際に入学すると全然違うことがわかります。通信制高校に行っていない人もコメントできるので仕方ないのかもしれませんが、私のように通信制高校を選んだことで幸せな高校生活を送れる人もいますし、ネットの口コミは気にしなくて良いと思います。
生徒の個性に負けない、何でも話せる先生がいる
代々木グローバル高等学院は英語学習や海外留学に力を入れている学校なので、半数以上は「英語が好き」「海外に行きたい」という子です。服装が自由なので制服を自分らしく着こなしたり、髪色や髪型が個性的な子やピアスをしている子もいます。
印象的だったのは、生徒の個性に負けないくらい、先生も個性が強かったことです。一人ひとりの長所と短所を把握していて、距離も近いので気軽に何でも話せます。私はオーストラリアへの留学がコロナ禍で強制帰国となり、カナダへの留学はホームシックになり、もう留学はこりごりと思っていたのですが、そんな私の事情を知った上で「もう一度行ってみれば。今度はこれまでと違うかもよ」と自然に背中を押してくれました。その後、アメリカに留学して10カ月の留学期間を満了できたのも先生たちに励まされたおかげです。
通信制高校は時間を自由に使うことができ、夢や目標のために時間を費やせます。私も英語力をIELTS(アイエルツ)6.5まで伸ばせました。受験勉強が終わったらまた英語の勉強を再開して最終的にはIELTS7.0~7.5まで伸ばしてまた海外に行きたいです。自分の好きなことができる、それが通信制高校の魅力です。
毎日登校しているから、レポートは学校で進める
登校日数は自由に決めることができましたが、外に出るのが好きなので週5日登校するコースを選びました。午前中は英語の授業が2時間あり、午後はレポートや教科学習、探求学習を行います。わからない部分があれば先生に質問して勉強を進め、授業が終わったら帰宅します。帰宅後は地元の友達と遊ぶことが多いです。
通信制高校では単位を取るためにレポートを作成しなければなりません。サポート校の場合は提携校によっても異なりますが、私の場合は1教科につき1~12枚のレポートがあり、私は毎日登校しているので基本的には学校でレポートに取り組み、終わったら先生に提出しています。レポートの締め切り前には先生も改めて周知してくれますし、丁寧に教えてくれるので頑張ろうと思える環境です。
通信制高校で勉強する上で1つデメリットを上げるとすれば、全員が大学受験を目指しているわけではないので「勉強しなければならない」というプレッシャーがないことです。プレッシャーがないのは嬉しいことですが、頑張ることもサボることも自分次第なのでモチベーションを維持するのが少し難しいです。
新しい友達もできるスクーリングは、勉強する修学旅行
私の場合はスクーリングで三重県志摩市の賢島に行きました。家から一人で向かい、見知らぬ土地で4泊5日を過ごすため、私にとってはちょっとした一人旅です。日程は留学に行く生徒に配慮され、4月の段階で第1希望から第4希望まで候補を上げます。
スクーリングでは主にプリントで授業を受け、体育の授業ではバレーボールやバスケットボール、バドミントンをしました。学校に毎日登校しているとはいえ、自習の時間も多いので朝から授業を受け続けるスクーリングのスケジュールはなかなかタイトです。正直、もう少し休憩したいと思うこともありました。
でも、普段は会うことのない別コースに通っている子と同部屋になって仲良くなったり、InstagramなどのSNSを教え合ったり、スクーリングならではの楽しさもあります。スクーリングの最終日には特別活動として伊勢神宮にも行きました。スクーリングは通信制高校ならではのものですが、一言で言えば勉強する修学旅行のようなものです。毎年参加するうちにスクーリングの要領もわかってきますし、1度行けば「こういうものか」と思えるはずです。
後輩の入学式で歌を披露。BBQやお楽しみ会も楽しい思い出
代々木グローバル高等学院を選んだのは英語の授業が多彩で留学にも強かったからです。でも、入学後は学校行事が思いのほか楽しいのが印象的でした。クラスメイトとのBBQでは一緒に買い出しして料理をつくり、イベントをきっかけに話すようになって仲良くなることもありました。夏休み前には「お楽しみ会」があります。これはレクリエーションを自分たちで企画するもので、イントロクイズやイス取りゲームを実施しました。また、私はみんなの前で歌も披露。歌うことが好きだからいつか人前で歌いたいと先生に話した際、「入学式やお楽しみ会で歌ってみなよ」と提案されて実現したことです。私たちがいろいろなことにチャレンジできるよう先生が背中を押してくれ、そのおかげで人前に立つことにも慣れることができました。
歌は後輩の入学式でも披露しました。これは高校生活の一番の思い出で、ディズニー映画『モアナと伝説の海』の主題歌『How Far I’ll Go』を歌いました。とても緊張しましたが、みんなの前で大好きな歌を披露できたことで自信も付きましたし、成長できたと思います。
英語の勉強を続け、アルバイトを頑張り、学校パンフレットのモデルにも挑戦
学校以外で取り組んだのは英語の勉強とアルバイトです。通信制高校に入学する前にオーストラリアとカナダの高校に留学し、通信制高校に入学してからもアメリカの高校に10カ月間留学しました。英語圏の複数の学校に留学して培った英語力をさらに伸ばすため、自宅でも参考書を使ったり、単語帳を暗記したり、Netflixで洋画を見て勉強しています。
また、カフェでアルバイトをし、家が自営業なのでその手伝いもしています。私は人見知りですが人と接することは好きなので、アルバイトはとても良い経験になりました。
個人的に貴重な体験だったのは学校のパンフレットやホームページのモデルをしたことです。これも後輩の入学式で歌を披露した時のように、先生から「やってみない?」と声を掛けられて参加しました。入学当初から「人前に立てるようになりたい」と思っていたものの自信も勇気もなく、なかなか実現できませんでした。そうした私の想いを知り、パンフレットやホームページに出ることも自信をもつきっかけになるのではないかと先生が考えてくれたのだと思います。
アメリカに行ってからは本格的なミュージカルにも挑戦しました。学校が地域の人たちに向けて行うイベントでステージに立てたのも、代々木グローバル高等学院でみんなの前で歌を披露したり、モデルを経験できたから。先生たちが背中を押してくれたからこそアメリカでも新しいことに挑戦できたのだと思います。
授業でクラスメイトのことを知れるから自然と友達ができる
通信制高校は友達がつくりやすい環境だと思います。その理由は、クラスメイトについて知ることができる授業をしてくれるからです。私は人見知りで、入学して3週間は誰とも話さず休み時間もスマホをいじっていました。でも、英語のレベルに応じてクラス分けされるので海外への興味が同程度の生徒が集まっていて、英語で人狼をやったり、「もし自分が大統領になるならどう自分をアピールする?」といったお題に応える中で少しずつお互いのことを知ることができます。自然と仲良くなれますし、授業の延長で休み時間も友達と英語で話したり楽しい高校生活を送れました。
ただ、学校には他県から通っている生徒も多く、寮に住んでいる子もいるので人間関係の築き方が中学の頃とは違うように感じました。特に私の学年はまだ人数が少なく、海外へ留学する子もいるため最近は後輩と会う方が多いくらいです。
恋愛面ではスクーリングをきっかけにInstagramなどを交換して仲良くなることがあります。人によっては、もしかしたら恋愛に発展するかもしれません。いつもとは違う場所で4泊5日を過ごすので、修学旅行で急に仲良くなる場合と同じだと思います。
通信制高校の先生はいつも励ましてくれる。だから前向きになれるし成長できる
通信制高校に入学して良かったと思うのは、さまざまな貴重な経験を通して自分が変われたことです。10カ月にわたる長期のアメリカ留学や慕ってくれる後輩たちとの交流を通して、初めて会う人と関わることに抵抗感がなくなりました。また、外国人講師との英語によるコミュニケーションや学校パンフレットのモデルを体験して自己主張もできるように。通信制高校でしかできなかった経験は、大学受験の総合型選抜でも活かせるのではないかと思っています。
いま通信制高校への入学を検討している方に伝えたいのは、「通信制高校はおもしろい先生がいるアットホームな場所」だということです。中学校では人間関係のトラブルや先生との考え方の違いから学校に通うことが辛くなった時期がありましたが、代々木グローバル高等学院では先生との距離が近いので気軽に何でも相談でき、先生も一人ひとりが抱えている事情を考慮し、個性を見極めて接してくれます。
私の場合、オーストラリアへの留学はコロナ禍で強制帰国となり、カナダへの留学はホームシックになってしまい、「もう留学に行くのはやめよう」と考えていました。それでも先生が後押ししてくれたおかげでアメリカに留学でき、素敵な経験を積めました。何事も柔軟に考えてくれ、いつも励ましてくる代々木グローバル高等学院の先生たちにはとても感謝しています。
学校行事の規模が小さく、学力に漠然と不安。感じたデメリットはその2点
通信制高校に入学して後悔したことはありません。でも、もう少し高校生らしい青春を送りたかったなとは思います。通信制高校にも体育祭や文化祭はありますが、全日制高校とは規模が違います。代々木グローバル高等学院でも「クラスで一致団結してこの催しを成功させよう」といった雰囲気はありませんでした。ただ、通信制高校にも学校行事に力を入れている学校はあるようなので、もし学校行事を楽しみたいならオープンキャンパスなどで確かめるのが良いと思います。
それと、これは3年生になって受験勉強をはじめてから痛感したことですが、全日制高校に通った方が学力は身に付いたと思います。単位を取るためにレポートは欠かさず提出してきましたが、学力の対する漠然とした不安は拭えないので大学を目指すのなら早いうちから塾に通って勉強しておけば良かったと感じました。一方、通信制高校は自由な時間が多いのでその時間を使って得た経験を総合型選抜に活かせると感じています。
学校行事を楽しんで青春を謳歌することも、勉強を頑張って大学受験に備えることも、あくまで問題なく学校に行けた上での話です。私は中学で不登校になり、海外への興味から留学の道を選びました。そうした過程を経て帰国後に通信制高校へ転入したことも自分の中ではベストの選択だったと思っています。
大学で、貧困、人種、ジェンダー、経済、格差などの諸問題を学びたい
現在の第一志望は立命館アジア太平洋大学です。(※1)留学生が多く、英語も使うことができ、異文化に触れられる環境に惹かれました。多様性があり、自由でアットホームな雰囲気は代々木グローバル高等学院と似ているように感じています。
大学では、主に政治学、社会学、経済学を学びたいです。中学時代から社会問題や政治に興味があり、何人かで議論したり話すことが好きでした。X(旧Twitter)などのSNSを使うようになってからは海外の人たちが英語で話し合っている内容にも目を通すようになり、特定の話題に対してみんながどう思っているのか、自分と世の中の人の考えはどう違うのかを知りたいと思うようになっていました。大学では政治学、社会学、経済学などの側面からさまざまな事象を検証したいです。
また、オーストラリア、カナダ、アメリカの3カ国に留学して英語力を培ってきましたが、英語力はさらに向上させたいです。いまも継続的に勉強し、海外留学の英語力証明となる「IELTS(アイエルツ)」は6.5(英検準1級、TOEIC 820~870点、TOEFL iBT 79~93点相当)。大学に入学するまでにこの数値を7.0~7.5に伸ばしたいです。
そして、できれば大学でも留学して海外ボランティアに挑戦し、ゆくゆくは貧困、人種、ジェンダー、経済、格差といった世界中で起きている問題の解決に携わったり、日本の良さを世界に伝える仕事をしたいと思っています。
国際機関で働き、海外で暮らしながら日本の良さを伝えたい
高校卒業後は大学に進学し、政治学、社会学、経済学を学びたいと思っています。その上でもう一度海外に留学したいです。留学したい理由は海外でボランティアにチャレンジしたいからです。これまで3カ国に留学し、世界中で起きている貧困、人種、ジェンダー、経済、格差といった諸問題に関心をもつようになりました。将来的にはこうした問題の解決に取り組みたいので、大学在学中により理解を深めたいと考えています。
そして、大学卒業後はさまざまな国で働き、いろいろな経験を積みたいと考えています。初めて行く国でその地の生活や文化に触れ、新しい視点を取り入れながら人として成長していきたいです。
海外で暮らすと日本と他国の違いに気付いたり、日本の良さを再認識する機会も得られます。世界に対して日本の良さを発信したいとも思っているので、夢は国際機関で働き、海外で暮らしながら日本の良さを伝えていくことです。
悩める後輩・わかっていない大人たちへのメッセージ
私は人間関係のトラブルと先生との考え方の違いから不登校になりました。不登校になる直前は「ずっとこの学校に通わなきゃいけないなら、もう消えてしまいたい」と思い悩みましたが、いま振り返ると当時は学校が全てだと思い、そのせいで思い詰めてしまったのだと感じます。でも、学校が全てではありませんし、学校以外にも居場所はあります。学校に通うのが辛いのなら逃げても良いと思います。私は中学卒業後にオーストラリアへ留学し、自分のことを誰も知らない環境で暮らしているうちに学校がとても小さい場所に思えました。帰国後は通信制高校に入学しましたが、それも全日制高校より通信制高校の方が私にとっては自然な選択肢だったからです。
私のように学校に行けなかったり、やりたいことが決まっているなら、通信制高校への入学を真剣に考えてみても良いと思います。通信制高校にはいまだにネガティブなイメージや偏見があるそうですが、誰かの勝手なイメージで自分の可能性を潰す必要はありません。いま悩んでいるなら、通信制高校も「可能性の一つ」として捉えてほしいです。
保護者の方にも、子どもの状況を理解してほしいと思います。毎日登校するのが辛そうな時は学校以外の居場所を一緒に探したり、逃げ道を考えてあげてほしいです。私が不登校になった時、母親は「学校に行きたくないなら行かないで良い」と言ってくれました。また、不登校経験者の留学を支援するエージェントを見つけて「留学したい」と言った時は、単に「やってみなよ」と言うだけではなく、なぜ留学したいのか話を聞き、私を理解してくれようとしてくれました。実家は自営業なので必ずしも金銭的に余裕があったわけではありませんが、父親はそれでも快く送り出してくれました。もし両親が不登校を許さず毎日の登校を強要されていたら、いまの私はいないと思います。不登校と通信制高校を経験したからこそ同じような境遇の人を理解できますし、この機会に私なりのメッセージをお伝えしたいです。
取材日:2023年8月
※1)2023年に第一志望の立命館アジア太平洋大学に合格し、活躍されております。(2024年6月追記)