生徒会選挙に負け、成績が低下。人間関係も悪化。負のスパイラルから不登校に
私は中学受験に挑み、中高一貫校に入学しました。偏差値の高い、中高一貫の男子校は熾烈な競争社会で、部活動や文化祭の実行委員を頑張ってキラキラしている人もいれば、不登校になったり、SNSで暴れている生徒もいます。
中学生活の歯車が狂い始めたのは、中学2年の生徒会長選挙に負けてからです。それまでは成績も良かったのですが、選挙に負けて気落ちしてから成績も下がりはじめ、中学3年の春にはテストの平均が60点台になってしまいました。次第に孤独感に苛まれるようになり、秋には友人との人間関係も悪化。その結果、中学3年の10~12月まで不登校になりました。これが1度目の不登校です。
年が明け、中学3年の1月から登校を再開し、エスカレーターで高校に進学します。ただ、高校でも成績の下落は止まらず、ついにテストは40点台に落ちました。当時仲の良かった先輩に背中を押され、起死回生をはかって高校の生徒会選挙に挑みましたが落選し、先輩との仲もこじれることに。そして、高校1年の12~3月まで再び不登校になりました。
2度にわたる不登校の間、母親、先生、カウンセラー、精神科医、友達など、さまざまな人に相談しました。相談できる環境はあったものの絶望感や孤独感が消えることはなく、すべてが自分から離れていく嫌なイメージに襲われていました。時には「助けて」「もう死にたい」と叫び、母親にあたったこともあります。父親が単身赴任中で母親には大きな負担をかけてしまいましたが、それでも寄り添い続けてくれた母親には本当に感謝しています。
また、中学受験で入学した学校を辞めるのは残念でしたが、辞める時に英語の先生から「4年間よくやったよ」と言われたことは自分の中でちょっとした救いになりました。

通信制高校に抱いていたネガティブな印象は、学校を見学すると吹き飛んだ
通信制高校を勧めてくれたのは、不登校の間もずっとやさしかった母親でした。通信制高校はメンタルに問題がある生徒が多いと思われがちですし、個人的には抵抗感がありました。入学した時点で、日本社会全体から社会不適合者の烙印を押されるのではないかと思っていたほどです。
しかし、2度の不登校を経験し、もう一度復学を目指すのが難しいのも事実でした。そこで、ひとまず自分の目で確かめてみようとID学園高等学校、N高等学校、一ツ葉高等学校の3校を見学し、特に惹かれたのがID学園高等学校(以下、ID学園高校)でした。キャンパスは綺麗で、総合型選抜による大学進学実績も高い。さらに、水道橋キャンパスには地下にフリースペースがあり、そこではみんなが思い思いに好きなことをして過ごしています。そんなゆるい雰囲気が気に入り、見学を終えた後は「この学校に入りたい」と入学を希望するようになっていました。
もし通信制高校にネガティブなイメージを持っていて入学するか迷っているのなら、ぜひ一度学校を見学してみてください。見学後には私と同じようにポジティブな印象を抱いているはずです。
ID学園高校の通学型には総合進学コースやグローバルコース、週3日コースなどがありますが、私が選んだのは起業・ビジネスコースです。中学3年の頃に「ゆくゆくは自分で会社を起業してみたいな」と考えていたことを思い出し、このコースなら昔夢見た目標に近づけるかもしれないと思い選択しました。

バングラデシュの伝統工芸品の企画・販売・接客を生徒が主導し、売上を製作者に還元
現在は週3~5日ほど登校し、主に起業・ビジネス関連の授業とスクーリングに参加しています。週5日通学できることはあくまで権利であり、義務ではありません。そのため、体調がすぐれない時は学校を休んでいます。授業は基本的に聴講するスタイルで、スクーリングでは生徒同士でディスカッションなども行います。レポートはアプリで提出を管理されているので、提出し忘れる心配もありません。
また、会社を見学して事業や製品の成り立ちや流れを学ぶ、起業・ビジネスコースならではの授業もあります。特に印象に残っているのはフェアトレードプロジェクトです。これはバングラデシュにあるID学園高校の姉妹校と連携し、バングラデシュの伝統工芸品である「ノクシカタ刺繍商品」を販売して売上をバングラデシュの製作者へ還元する企画で、企画の立案から販売方法の選定、接客までの一連の流れをすべて起業・ビジネスコースの生徒が主導して行いました。販売方法では会場のレイアウトや価格調整、接客ではお客様に紹介する際のキーワードを決めて接客マニュアルも作成。このプロジェクトを通して、モノを売るために必要なことをイチから学べましたし、みんなで協力して目標の達成に挑むことがとても楽しかったです。
フェアトレードプロジェクトで「自分が頑張れば、ID学園高校のみんなも頑張ってくれる」と気付きました。そこで、プロジェクト以外にもスポーツ大会の運営スタッフに立候補するなど、自分から積極的に行動しています。今後は文化祭の運営スタッフにもチャレンジする予定です。
友達づくりも同じで、みんなが好きなことをして過ごしている地下スペースでよく会う人がいれば、コースや性別を問わず自分から話しかけるようになりました。

通信制高校に入ってから気持ちが楽になり、余裕と自信から新たな夢もできた
自分が転入するまで通信制高校には少しネガティブなイメージもありました。しかし、実際に入学してみると自分の体調やメンタルを考慮しながら通学でき、それだけでとても気持ちが楽になりました。全日制高校では毎日決まった時間に登校しなければならず、生活リズムを整えやすいですが、生活リズムが一定だからこそ体力のない人間は体調を崩しやすくなる。転校してから、そう気付きました。
そして、ID学園高校は先生たちとの距離が近く、いつも話を聞いてくれるので落ち込むことがあっても乗り越えられるよう親身にサポートしてくれます。自由度が高く、何でも相談できる先生がいる。そのため、気持ちに余裕が生まれ、何事にも主体的に取り組めるようになり、行動と成果が自信となります。いまは通信制高校に転入して良かったと心から思っています。
通信制高校の不安な点を挙げるなら、大学に進学できるか若干不透明なところです。通信制高校を決める際に大学の進学実績も比較してID学園高校を選びましたが、それでも不安は払拭できていません。大学に進学できるよう、まずは自分のやりたいことに全力で取り組み、その成果をもって総合型選抜に合格したいと考えています。 いまの夢は、自分磨きのサロンを立ち上げ、経営することです。日本は草食系男子が増え、若者の幸福度は依然として低いままです。サロンやジムで自分磨きをサポートしながら1人ひとりのメンタルをケアするカウンセリングチームと提携し、若者が幸せになれる社会づくりに貢献したいと思っています。
私は生徒会選挙をきっかけに成績が落ち、人間関係も悪化し、不登校になりました。2度目の不登校の時は本当に絶望感しかありませんでした。でも、通信制高校に入ってから気持ちが楽になり、余裕が生まれ、学校生活をもう一度楽しめるようになりました。将来の夢もできました。 もし、かつての私と同じように苦しんでいる人がいるなら、通信制高校を見学してみてください。「全日制の学校をドロップアウトした人しかいないんでしょ」と思っていたとしても、一度見学すればその魅力をわかってもらえるはずです。
取材日:2024年7月
本記事内で話されていることは、個人の体験や感じ方によるものです。現在の学校のカリキュラムや学習の進め方とは異なる場合があります。
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