コロナ禍の影響で不登校に。留学できる高校を探し、代々木グローバル高等学院と出会う
子どもの頃から周囲と同じことをしたくない性格で、「地元の中学校に行きたくない」という理由から中学受験をして中高一貫の女子校に入学しました。受験に合格して自分が行きたい学校に通えるうれしさもあり中学生活を満喫していましたが、中学1年の終わり頃にコロナ禍となり登校できない状態に。毎日家でオンライン学習に勤しむ日々は退屈で、次第にパソコンのモニターを見続けることがストレスになっていきました。
中学2年の2学期半ばから登校が再開したものの、オンライン学習の期間が半年に及んだためすっかり家で勉強することに慣れてしまい、今度は登校再開を素直に喜べませんでした。勉強は家でもできるのに、なぜ学校に行かなければならないのか。登校しはじめてもその理由がわからず、中学2年の終わりから中学3年の2学期まで不登校になりました。
相談相手は主に母親と友達でした。特に母親はとてもポジティブな性格で、相談に乗ってもらううちに自然と「もう一度登校してみよう」と思うことができ、保健室登校を開始。高等部に進学するためには中学最後の期末テストを受けなければならず、面談の際に、期末テストは受けるが高等部には進学しないことを決めました。
そして、新たに「海外に留学できる高校」を探しはじめます。姉の影響で子どもの頃から洋楽を聞き、ディズニーチャンネルも大好きでした。海外への憧れが強かったため、留学できる高校に進学しようと考え、そこで初めて通信制高校という選択肢が浮かび上がってきたのです。
合同説明会に参加した際に代々木グローバル高等学院と出会い、「ここなら確実に留学できる」と感じ、模擬授業に出席。すると、普段は緊張する初めての空間にも全く緊張することがなく「代々木グローバル高等学院なら高校生活を楽しめそう、友達もできそう」と思い、入学を決めました。
自由度の高い環境と留学への目的意識が、毎日登校する原動力となる
代々木グローバル高等学院では1年生の秋にカナダの語学学校、2年生の秋にアメリカの現地高校に留学できるグローバルコースに所属しました。留学するとビザの関係で出席が重要になるため、入学後はまず毎日の登校に慣れることからはじめます。午前中はネイティブの先生から英語を教わり、最初はゲームを交えながら英語を覚えていきます。そして、午後はレポートやアクティビティの時間に充てられています。
校則はなく、髪色、ネイル、アクセサリーは何でもOKです。制服はありますが着ても着なくてもよく、私は着たことはありません。中学時代は校則が厳しく爪の長さまで決まっていたので、自由度は雲泥の差でした。
校則の縛りがない自由度の高い環境であること、何より「留学のため」という明確な目的があるので、不登校の経験がある子も毎日登校していました。相手がどんな子かわからないので最初はお互いに探り合う感じですが、午前の英語授業がゲーム感覚なので自然と話すようになり、仲良くなれます。留学前は放課後によく公園で友達と話していました。話をしていると、自分と同じように不登校を経験した子がいることに気付きます。同じ経験をした子がいることが励みになり、「自分も頑張ろう」と思えるのも代々木グローバル高等学院の良いところです。
先生たちとの距離も近く、先生が生徒一人一人に目を配り、それぞれの高校生活や留学について真剣に考えてくれていることも感じました。何でも相談できるので、BBQやハロウィンパーティー、映画鑑賞会などのイベントでも「こんなことをやりたい」と気軽に提案できます。難点を挙げるなら、1年次の9月には大半の生徒がカナダへ留学するため、みんなで集まれる機会が少ないことです。
車登校、アメフト、プロム。そこは、映画やテレビで見たアメリカの高校だった
1年次のカナダ留学では代々木グローバル高等学院のみんなで同じ語学学校に通います。友達がいるので心強いですし、英語を学びに行くので英語力も向上します。
一方、2年次のアメリカ留学は1人で現地の高校に転入し、ホストファミリーと暮らします。アメリカの高校は4年制で、カナダへの留学経験からアメリカでも問題なく授業を受けられるだろうと考え、1歳上の4年生に入ることに。でも、この見通しは甘く、最初は先生やクラスメイトが話すスピードに驚き、聞き取るのに苦労しました。
また、やりたくないことには自分からNOと言わなければくみ取ってくれず、受け入れたらOKと捉えられます。ホストファミリーの家では毎日牛乳が出され、私はそれほど好きではないものの出されるので毎日飲んでいました。ある日、「実は牛乳はそんなに好きじゃない」と話したところ、「飲んでいたから好きだと思っていた。嫌なら嫌と言わなければアメリカでは相手に伝わらないよ」と教わりました。
海外で生活して初めて気付くことがたくさんあり、1人だと大変な面もありますが、それでも学校で友達ができ、ホストファミリーとの仲が深まると次第に楽しさが勝るようになります。私もしばらくしたら「アメリカでの高校生活を存分に満喫しよう」というマインドに変わりました。
アメリカの高校生はみんな車で登校します。アメフトが盛んなので、みんなでアメフト部の試合を応援。留学プログラムのみんなで行ったシカゴ旅行では、観覧車に乗ったり、シカゴピザを食べ、プロム(卒業パーティ)ではドレスも着ました。どの場面も、映画やテレビドラマで何度も目にした憧れの高校生活で、本当に楽しい1年間でした。4年生で入ったからこそプロムに参加できたのもうれしかったです。
このアメリカ留学を通して自分の意見を積極的に発信できるようになり、人前で話すことにも抵抗感がなくなりました。「留学なら大学でも行けるだろう」と思う人がいるかもしれませんが、高校時代に長期留学をして現地の英語に触れたこと、外向的な性格になれたこと、こうした経験を経てから大学で英語を学べることに大きな意義があると思っています。
通信制高校に対する不安は尊敬できる先輩と出会い払拭。今後は総合型選抜で大学受験に挑む
通信制高校に入学する前は「友達はできるのか? 将来的に進学や就職はできるのか?」と不安は尽きませんでした。通信制高校に通っていると話すだけで「何か問題を抱えている子」と思われそうだという懸念もありました。
しかし、入学後は「この先輩みたいになりたい」と目標にできる先輩と出会い、先輩に感化されて通信制高校をポジティブに捉えられるようになりました。2度の留学を経験し、いまは「自分の個性を出せる、やりたいことができる学校」だと思っています。これから出会う人にも、胸を張って「代々木グローバル高等学院出身です」と言いたいです。
ゆくゆくは通訳や翻訳などメディアに関わる仕事に挑戦したいので、いまの目標は英語力を磨きながらメディアについて学べる、駒澤大学のグローバル・メディア・スタディーズ学部に入学することです。受験方法は特性評価型の総合型選抜。志望理由書と英語での面接を突破しなければならないので、代々木グローバル高等学院で小論文と英語を勉強しています。
代々木グローバル高等学院の友達は大学を目指す子が多いので、みんなで受験を乗り切った後はアルバイトをしてお金をためて、卒業旅行に行きたいです。
取材日:2024年8月
本記事内で話されていることは、個人の体験や感じ方によるものです。現在の学校のカリキュラムや学習の進め方とは異なる場合があります。
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