学生の約半数が国際生。多様性に満ちたキャンパスはとにかく楽しい
2024年4月から、私は立命館アジア太平洋大学(以下、APU)のアジア太平洋学部に通っています。APUは多様性と活気に満ちている大学です。国際生(=留学生)の割合は約50%に達し、キャンパスの案内板や大学からのメールはほとんど日本語と英語が併記されています。国際生は一時的な留学ではなく、APUに4年間在籍して卒業します。日本に根差して生活しているので授業やイベントでいろいろな国の学生と交流でき、すぐ友達になれます。世界中から学生が集まるAPUなので、春入学と秋入学の時期である4月と9月は、特にどんな学生と出会えるのか楽しみです。
授業では国際関係やグローバル経済を学んでいますが、ほとんどの授業が日本語と英語の両方で開講されているのもAPUの特徴です。日本語基準で入学した場合は学生の英語力によって履修できる授業に制限がありますが、英語基準で入学していれば英語で開講されている科目を無制限に履修できます。私は英語基準で入学しているので、後期以降は英語での履修を増やす予定です。
また、個人的に最も楽しかったのはスペイン語の授業です。アメリカ留学中に一番仲の良かった子がスペイン出身で、いつか再会したときにスペイン語で会話したいと思って第二外国語に選びました。ずっと勉強したかった言語なので授業への集中力は自然と高まりますし、言語の授業はコミュニケーションを図りながら進めるため国際生とも仲良くなりやすく、気に入っています。
キャンパスは大分県別府市にあり、いまはキャンパスから徒歩10分ほどの場所にある学生寮に住んでいます。国内生と国際生の2人部屋ですが、私が英語基準で入学したため国際生扱いとなり、同居しているのは大分県出身の日本人です。ただ、2人部屋といっても室内に入るドアは別々で、部屋の真ん中は施錠できるドアで仕切られているので実質1人部屋のようなものです。
キッチンは共同で、アジア圏出身の学生が独特のスパイスや香料を使って調理し、その匂いが寮内に充満することも。そんな国際寮ならではの日常もありながら、一緒に課題に取り組んだり、日本語テストのサポートをしながら絆を深めています。
留学生向けのボランティアなど、勉強以外にもやりたかったことを実現
多くの学生が夢に向かって主体的に行動する中、大学も学生がやりたいことを手厚くサポートしてくれます。留学や起業、学生寮のイベントなどに必要なさまざまな費用を大学が負担してくれますし、大学の支援を受けて行動する学生を見て「自分も動き出そう」と夢へのモチベーションが上がります。
APUの中の学生団体の一つに、交換留学生をサポートする活動を行う「APU Buddy」があります。高校時代にアメリカへ留学した際、ボランティアでサポートしてくれる学生がいて、その学生たちのおかげで私の留学生活はとても楽しくなりました。高校生の時にしてもらってうれしかったことを大学生になってから返したいと思い、APUに入学したら必ず入ろうと心に決めていました。APU Buddyの活動は9月から本格的に始まり、私はフランス、チェコ、エチオピアからきた留学生を担当することになっています。
キャンパスには世界109の国と地域から学生が集まっているのでイベントもユニークです。入学式には母国の伝統衣装を着て出席する学生がいますし、日本人にもスーツではなく着物で出席する学生がいます。
また、さまざまな国の言語や文化を週替わりで紹介する「マルチカルチュラル・ウィーク」では、当該国の料理やお菓子が屋台で出店され、伝統衣装での踊りやパレードも行われます。例えば、タイウィークではタイ出身の学生と有志がとてもきれいなドレスを着て演劇やダンスを披露してくれました。また、バングラデッシュウィークでは屋台で、スパイスの入ったキャンディーやフチカと呼ばれるストリートフードが振る舞われました。その国の出身者がイベントに携わっているので、本場の味が食べられるのもAPUの多国籍な環境ならではの体験だと思います。
11月には学園祭(天空祭)も開催されるので、どんな催しがされるのか、これも今から楽しみにしています。
価値観の変化を経験してから大学を選べば、本当にやりたいことと出会える
APUに入学し、世界中のさまざまな国と地域から来ている学生たちとふれ合えるようになりました。英語を使う機会も格段に増え、カリフォルニア出身の学生と恋バナをしたり、大学生活を満喫しています。勉強面でもずっと学びたかったスペイン語をはじめ国際関係など興味のある分野を学べています。
こうした経験ができているのも、全ては代々木グローバル高等学院に入学してアメリカに長期留学できたからです。
私は幼い頃から「海外に行ってみたい」と思っていて、中学2年から本格的に英語を勉強し始めました。中学3年の1月にオーストラリアへ渡り、中学卒業後はオーストラリアの高校に進学。現地での高校生活を楽しみにしていましたがコロナ禍によって強制帰国となり、その後カナダの高校への短期留学を経て、代々木グローバル高等学院に入学しました。
代々木グローバル高等学院を選んだのは、ネイティブの先生から英語を学ぶことができ、留学による卒業時期のズレを最小限に抑えるよう考慮してくれたからです。そして、2年次の夏からはアメリカの高校に長期留学。この留学中にいろいろな人とふれ合い、ミュージカルなど新しいことにも積極的に挑戦できたおかげで性格も外向的になりました。
留学すると自分の価値観がガラッと変わる瞬間があります。だからこそ高校生のうちに留学するメリットは大きいです。私は留学中の経験を通して、高校卒業後は、国際色豊かな大学でもっと政治、格差、文化、貧困、といった諸問題を学びたいと思うようになりました。
大学選びも通信制高校選びも、「学び」と「環境」を重視した
私は志望大学を決めるためにいくつかの大学のオープンキャンパスに参加し、最も惹かれたのがAPUでした。大分県の自然豊かで開放的なキャンパスに、世界中から学生が集まっている。そして、スペイン語などの語学を学ぶことができる上に、いろいろな国の人と出会い、文化まで学べる環境がある。学びと環境のどちらにも惹かれて第一志望とし、受験では総合型選抜を選び①留学経験、②英語力、③油絵の受賞歴の3点をアピールして合格しました。
個人的に経験しておいて良かったと思ったのは、やはり留学です。留学によって英語力が高まり、そのおかげでAPUに英語基準で入学できましたし、必修科目も英語なので国際生と関わる機会が増えました。そして、留学中にいろいろなことに挑戦して外向的な性格になったからこそ、APUでも自分から積極的に話しかけ、国際生の友達がたくさんできました。
大学でも留学はできますが、大学では現地の授業の難易度が上がりますし、単位が取れるかも気になります。何より、留学すると自分の価値観が変わるので、高校時代に価値観の変化を経験した上で志望大学を選べます。総合型選抜なら留学の経験は有利に働くので、高校生のうちに留学したいと思っているけど勇気がでない人は、ぜひ一歩踏み出して留学してほしいです。私は大学でも新たな経験や価値観を得るために留学したいと思っています。
大学進学を目指しているなら、自分の興味があることが学べるか、学ぶための環境が整っているか、という観点からオープンキャンパスに参加し、「この大学なら頑張れそうだ」と思える大学を見つけてください。
思えば、私は通信制高校選びでも学びと環境を重視していました。これから通信制高校や大学・専門学校などに進学する方も、ぜひこの2つを基準に学校を選んでみてください。
取材日:2024年8月
本記事内で話されていることは、個人の体験や感じ方によるものです。現在の学校のカリキュラムや学習の進め方とは異なる場合があります。
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