「不登校」という言葉は、「学校に行きたくても行けない子がいる」という認識が広まるにつれて一般的になりました。
それ以前、マスメディアや専門家の間では「登校拒否」という表現が使われていました。当時は、皆勤賞が評価される時代であり、「拒否」という言葉からもわかるように、生徒が自らの意思で「学校に行かない」と選択した状態を指していたように思います。
しかし、現在では学校に行けない理由はさまざまであり、必ずしも子ども自身が「学校に行きたくない」と思っているわけではありません。
こうした背景から、「登校していない、またはできない状況」を表す言葉として、「不登校」という表現が使われるようになりました。
増え続ける不登校、語られない「その先」
令和5年度に文部科学省が発表した調査によると、不登校の生徒は約35万人と過去最多を記録しました。(※1)
不登校の増加とともに、「学校に行きたくないなら行かなくても良い」という意見が広がっています。
私自身も、体調やメンタルが不調になるとわかっているのに、無理に登校する必要はないと考えています。
当事者にとっては、目の前の問題に精一杯で、先のことを考える余裕がないことも多いでしょう。
ただ、見逃せないのは、「不登校になった生徒の高校卒業後」について、世の中でほとんど議論されていないことです。

卒業後、社会でどう生きていくのか
どのような環境にいたとしても、18歳になり高校を卒業すれば、社会に出ることになります。
「無理に学校へ行く必要はない」という考えは理解できます。
しかし、本来学校で身につけるはずの社会性やコミュニケーションスキルを学ばないまま卒業した生徒は、その後どのような社会生活を送るのでしょうか。
この話を通信制高校の先生から聞いたとき、私はハッとしました。
確かに、無理に登校する必要はありません。
しかし、何かしらの形で学び続けることは必要なのではないか。
人は、学びを通じて変わることができます。
毎日学校に通わなくても、プログラミング、eスポーツ、英語など、自分の好きなことを学べる環境をつくるべきではないのでしょうか。
通信制高校の先生が向き合う課題
高校卒業後、社会でどう生きていくのか。
この不登校の課題に対して、通信制高校の先生たちは長年向き合ってきました。
生徒が前向きになれるよう、本気で考え、卒業後の未来まで見据えて指導しています。
10代での学びは、その後の人生に大きな影響を与えます。
だからこそ、単に「行かなくてもいい」と短絡的に考えるのではなく、不登校や通信制高校について、もっと本気で語れるメディアが必要なのではないでしょうか。

掲載日:2025年02月
※1)※文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00400304&kikan=00400&tstat=000001112655&cycle=0&tclass1=000001210480&tclass2=000001210481&tclass3=000001210485&result_page=1&tclass4val=0
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