猛勉強して高校の特進コースに入るも、勉強のしすぎで心停止の危機!
私は中学2年までまったく勉強せず、偏差値は38でした。ただ、生来の負けず嫌いで、姉への競争心から高校受験に向けて猛勉強を開始しました。その結果、姉と同じ系列の私立高校に合格しました。
高校では特進コースに入り、周りが難関の国公立大学を目指す生徒ばかりだったので、受験生の頃よりさらに勉強に打ち込みましたが、高校1年の6月にコロナに罹患。それから復調して夏休みの勉強合宿に参加した後、気付いたら倒れていました。
病院の診断結果はコロナ後遺症。しかし、カイロプラクティックのクリニックでは「心臓周辺の筋肉が固まっている。このまま放置すると心臓が止まるかもしれない」と衝撃的な告知をされました。
毎日午前1~2時まで勉強し、6時には起床する生活を送っていたため、姿勢が前屈みになっていたり、長時間椅子に座り続けて血流が悪くなっていたせいかもしれません。原因が勉強のしすぎだなんて周囲に話したらうそだと言われますが、その後は動くたびに胸が痛くなり、ほぼ寝たきりの生活になってしまいました。

頑張って勉強したのに通信制高校へ転入することになり、絶望
高校1年の9月から寝たきりの生活が始まり、1月までほとんど動けませんでした。運動といえば、体調が良い時にたまに近所を散歩するくらい。それも、みんなが徒歩10分で行ける場所に1時間かけてゆっくり歩き、なんとかたどり着ける、という感じです。「このまま死ぬかもしれない」と覚悟して、好きなことをしようと毎日ゲームに明け暮れました。
幸い、病院で処方された漢方薬を飲んだり、カイロプラクティックの治療を続けることで症状は少しずつ改善し、復学の道が見えてきました。学校側にも事情を考慮してもらい、欠席可能日数を大幅に増やしてもらえることになりました。ただ、1月から復学しても登校日数が足りないため進級は難しく、留年して難関私大を受験しようと考えていました。留年をしてでもクラスメイトと同じ道を目指したいと思ったからです。
ところが、両親に留年を反対されました。姉弟で私立高校に通っていて、さらに1年分の学費が必要になるし、留年したことが大学進学に影響するかもしれない。何より、「留年しかない」と思い込んでいた私に、他の選択肢も検討してみてはどうかと示唆するための反対でした。そして、父親が転入先として通信制高校を調べてN高等学校(以下、N高)を紹介してくれました。
通信制高校に対して良いイメージはまったくありませんでしたが、父親に言われるがままオープンキャンパスに参加してみると、生徒たちは明るく、良いギャップがありました。また、N高は4学期制で1月に転入すれば1年次の単位も取得できるという点もメリットでした。
とはいえ、同級生と一緒に偏差値トップクラスの大学進学を目指していた自分がなぜ通信制高校に行かなければならないのかと考えると絶望しかなく、「もう人生終わったな」と思いました。

キャンパスでN高生と会い、刺激を受け、もう一度前を向く
1月の段階ではまだ通学するほど体調が優れず、オンラインで学ぶネットコースを選択。2年に進級するタイミングで自宅から通える場所にキャンパスができ、無理なく通える場所だったことから週3日の通学コースに変更しました。
キャンパスに登校し、みんなと一緒に授業を受ける。そんな高校生活に戻れたことが嬉しかったです。しかし、2年生になって初めてN高のクラスメイトと出会い、感じたことがありました。
絶望している生徒が一人もいない
全日制高校から通信制高校に転入する生徒は、程度の差はあっても大体が自分のように絶望しているだろうと思っていました。だって、通信制高校に来る羽目になったのだから。 でも、N高ではみんなイキイキと高校生活を送っています。N高生が、自らのアイデアを表現するプレゼンテーションイベント『NED』を観覧したときは、登壇して発表している生徒がキラキラと輝いて見えました。そんな姿を目にすると、同じ学校に通う生徒としてやっぱり刺激を受けます。もはや、人生のどん底でここからはい上がることはできないと思っていましたが、どん底なのではなく、単に学校を変えて別の道を歩み始めただけだと気付きました。
さらに、N高の課題解決型プロジェクト学習で、大手飲料メーカー、広告代理店とコラボしてWEB広告を制作する授業があり、自分たちで企画から動画撮影まで手掛けました。チームでアイデアを出し、相談し、互いに高め合いながら一つのことを成し遂げ、その成果に対して他者からきちんと評価を受ける経験ができました。この授業がきっかけで大手飲料メーカーの取り組みに共感し、マーケティングにも興味が湧くようになりました。
絶望中の人に伝えたい。通信制高校にはきっと良いことが待っている
高校1年の時に突然訪れた寝たきり生活によって通信制高校に転入することになりましたが、N高というコミュニティに入り、この状況をポジティブに変換できるようになりました。特にN高はどんなことにも挑戦できるので、これまでの人生の中で一番笑っています。
通信制高校はキャンパスもコースも自分に合う場所と学び方を見つけられ、自分のやりたいことにチャレンジできます。同じ趣味の友達とも出会えます。かつて私がそうだったように、通信制高校への転入が決まって絶賛絶望中の人もいるでしょうが、決して悪いことばかりではなく、むしろ良いことがたくさん待っているとお伝えしたいです。
今は自分のやりたいことをとことん追求しようと、N高で生徒会活動に携わり、NPO法人のプロジェクトにも尽力しています。「商品とマーケティングを通して人を笑顔にする仕事に就きたい」という夢も見つかったので、夢の実現のために大学にも進学するつもりです。

取材日:2025年2月
本記事内で話されていることは、個人の体験や感じ方によるものです。現在の学校のカリキュラムや学習の進め方とは異なる場合があります。
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