2022年、原宿スタジオをオープン
プレマシードは2022年に創業時から手掛けてきた教育メディア事業に特化することを決め、神宮前二丁目に『原宿スタジオ』を開設しました。JR原宿駅を降りると広がっているのが明治神宮前エリアです。人は、住んでいる場所や働く環境からさまざまな影響を受けるもの。このエリアでは新しいファッション、音楽、アートが生まれ続けており、働いている人たちも「自分の好きなヒト/モノ/コト」を大切にしています。どうせ仕事をするなら居心地の良い場所で働きたいですし、人が集まり、モノやコトを生み出すのにふさわしい場所として原宿を選びました。
移転のきっかけはコロナ禍
2020年にJR原宿駅の駅舎が新しくなりましたが、ちょうどその頃、コロナ禍によってリモートワークが生まれ、働き方が大きく変わりました。会社としてもコロナの影響で教育メディア事業との二本柱であった広告代理事業を縮小しました。急に暇な時間が増え、私はシェアオフィスがあった四ツ谷駅近くの外濠公園でお弁当を食べながら、今後についてボーッと考えていました。

四ツ谷駅近くの外濠公園で、当時の話をする代表取締役・岩田彰人
そんな中、社会人の働き方だけではなく、学校での学び方が変わったことで、クライアントでもある通信制高校への入学者が増えていることを知りました。オンライン学習がスタートして「学校に行かなくても勉強はできる」と気付いた中学生が、進学先に通信制高校を選ぶようになったのです。同時に、コミュニケーションの変化によって不登校の割合も増えていました。
学び方とコミュニケーションの急激な変化は、これから10代の学びや悩みに関するニーズが増加していくことを予感させ、この機会に教育メディア事業に特化して10代のニーズに応える方向性を打ち出しました。
リモートワークによってオフィスの必要性が低下したため、四ツ谷駅近くの麹町でシュアオフィスを借り、教育メディア事業に注力していく体制を整えていきました。
ただ、メディア運営は自分たちだけでできるものではなく、学校の先生や生徒など、当事者と一緒に作っていかなければなりません。そのためには「人が集まり、モノやコトを生み出す場所」がどうしても必要で、改めてシェアオフィスに変わる場所を探すことになりました。
新しい「場所」の条件
人が集まってクリエイティブを生んでいくことを考えると、少し不便でもいいので「来ることが楽しみになるような場所」を第一条件としました。その上で利便性が高く、明るく自由な雰囲気がある街なら尚好ましい。そのように絞っていくとオフィス街や飲み屋街からは自然と離れていき、最終候補に残ったのが原宿、青山、渋谷のNHK裏でした。
それぞれの街を歩いてみて、特に惹かれたのが原宿です。1990年代に「裏原系」が流行っていた頃、私は高校生でした。当時、キャットストリートにはストリート系、ラフォーレ原宿前にはいまのkawaiiのはじまりとなった原宿系、表参道にはハイブランドなど、原宿はさまざまな人とお店が入り混じり、遊びにくるだけで楽しい街でした。

原宿通りを歩いて神宮前二丁目まで来ると、いまでもこの辺りには昔のキャットストリートの名残を感じ、「自分の好きなヒト/モノ/コト」を大切にしている人が多い気がしました。
どの駅からも多少離れているので家賃も少し安く、個人のアパレル店や飲食店も多い。作る人や売る人だけではなく、買いに来る人も何かしらのこだわりを持っている。そんな街だからこそ居心地が良く、人が集まり、モノやコトを生み出すのにふさわしい場所だと思いました。
原宿スタジオの誕生
移転先は『原宿スタジオ』と名付けました。その理由は、プレマシードはクリエイターの集まりだからです。クリエイターとはデザイナーやフォトグラファーだけではなく、メディアを作る会社のメンバー、通信制高校に通うインターン、協力してくれる学校の先生や業者、すべてを含みます。
原宿スタジオにインターンの学生が集まり、楽しそうに意見交換をしている姿を見ると、この声と笑顔を発信していくことがクリエイティブそのものだと感じます。

コロナ禍を経て、10代の学び方とコミュニケーションは大きく変わりました。不登校の人数も通信制高校の数も増え続けています。
若者が笑顔になる世の中をつくるためにも、私たちは原宿から全国の10代とつながり、学びや悩みを解決する新しいモノ/コトを生み出していきたいと思っています。

取材日:2025年6月
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