小林 プレマシードが掲げるVISION、MISSION、VALUE（以下、VMV）について、代表の岩田さんに詳しく語ってもらいます。今回取り上げるのはMISSIONです。
岩田 プレマシードは「学ぶことで自由と個性を獲得し、多様性のある社会をつくる」と定めています。MISSIONとは会社として果たす役割のことです。教育メディアを通して10代にはさまざまな選択肢があることを伝え、その可能性を広げることがプレマシードの役割だと思っています。
小林 そもそも、なぜ学ぶことが自由と個性の獲得につながるのでしょうか？
岩田 学べば選択肢が増えるよね。小林さんもカナダに留学していたと思うけど、例えば英語を学ぶと海外の人と話せるようになる。話せるようなれば海外の価値観を知ることができ、意欲次第で現地の大学に進学したり就職できる。学ぶことで進路の選択肢が増えて自分の将来像を好きなように選べるのなら、それは「自由」と言える。そんな経験はない？
小林 選択肢を持てなかった経験ならありますね。私は表現を学びたくて大学の芸術学科に進学しましたが、チアリーディング部の活動に夢中になりすぎて勉強が少し疎かになってしまったんです。そのせいで就職活動でも軸が決められず、自分にどんな選択肢があるのか、どんな可能性があるのか、しっかりと把握できていませんでした。
岩田 小林さんの場合は、部活動に夢中になるあまり就職の選択肢の幅を広げられなかったってことだよね。それは私も同じで、一時期プロのスノーボーダーを目指して世界を転々としていたことがある。スノーボードは楽しいし友人もできたけど、今振り返ってみるとスノーボードを通してもっと学べることがあったと思う。例えば、英語や海外のカルチャーとか。だけど、当時は視野が狭くてスノーボーダーとしての能力や個性以外に自己成長につながるものがあるなんて思いもしなかった。あの時、もっと視野を広くし、さまざまなことから学んで吸収できていれば、もっといろいろなことに挑戦できたんじゃないかって思うんだよね。
小林 単に経験するだけではなく、そこから何を学ぶかで見える世界が変わりますよね。岩田さんの場合はスノーボードを通してもっと学んでいれば選択肢が増えたでしょうし、そうなればより自由を実感できたはず。私もチア部が楽しくて頑張っていましたが、せっかく芸術学科にいたんだから表現について深く学んでいれば就職の時にも一つの軸ができたかもしれないし、何よりこの仕事に活かせたと思います。
岩田 自分で選択してさまざまな経験を積んでいくと、次第にその人ならではの特徴や魅力が形成されていく。それが「個性」であり、学び、選び、経験を積み重ねることで一人ひとりのアイデンティティやパーソナリティは確立されていくんだと思う。
小林 インターンの中にもそういう子はいますよね。N高等学校の田崎真大さんは５教科の勉強は苦手ですがチャレンジ精神が旺盛で、常に「何かやりたい」と磁石祭の実行委員を務めていました。
岩田 インターンではないけれど、マーケティングが好きで、中学２年の頃から独学でマーケティングを学んでいる子もいたよね。
小林 二人とも自分から積極的に学び、やりたいことを自分で選択することでそれぞれの個性を獲得できている、ということですね。
岩田 学ぶことで選択肢を増やす。数ある選択肢の中から自分で自由に選択する。そして、好きなことや得意なことを伸ばすことで個性を獲得する。そうやって自由と個性を獲得した人が増えていけば、自然と多様性のある社会になっていくはず。これは単に多様性に満ちた社会が良いと言っているのではなく、結果的に多様性のある社会になることが社会の豊かさなどにつながっていくのではないかと考えています。
取材日：2025年6月
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