- Q1あなたが今までに「学校に行きたくない」と思った理由があればお答えください。(複数回答/n=600)
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まずは学校に行きたくないと思った経験についてお聞きしました。その結果、「経験はない」と回答したのは約3割にとどまる結果となり、約7割が学校に行きたくないと思った経験があることがわかりました。その理由は「友人関係のトラブル」や「いじめ・いやがらせ」が多く、10代~20代よりも40代~50代が多く回答しています。
- Q2学校に行きたくないと思った経験があると回答した方にお聞きします。その時期をお答えください。(複数回答/n=425)
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学校に行きたくないと思ったことがある人に対し、その時期をお聞きしました。最も多い回答は「中学2年生」となり44.2%が回答しています。年代別で比較をすると、10代~20代は「中学2年生」が最も多く48.3%、40~50代は「小学校高学年」が最も多く41.9%と年代で差のある結果となりました。
- Q3あなたは不登校の経験がありますか。(単数回答/n=600)
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不登校の経験※についてお聞きすると、21.2%が「経験がある」と回答しました。年代で比較をすると、10代~20代は25.0%、40代~50代は17.3%となり、10代~20代に不登校経験者が多く、その差は7.7ポイントとなっています。
※「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」などの定義を設けず聴取。
- Q4不登校の経験があると回答した方にお聞きします。その理由をお答えください。(複数回答/n=127)
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不登校の経験があると回答した人に対し、その理由をお聞きしました。その結果、【Q1.】に続き「いじめ・いやがらせ」(48.0%)、「友人関係のトラブル」(43.3%)が多い結果となりました。
不登校の経験では、10代~20代 25.0% 40代~50代 17.3%となり、その差は7.7ポイントとなりました。不登校という選択をすることができる環境になっているのではないでしょうか。
中学生になると複数の学区や様々な地域から生徒が集まり、コミュニティーが大きくなり多様な人と接する機会が増えます。多人数が苦手な場合、その苦手な部分が出やすく、学校へに苦手意識が芽生えてしまう原因にもなります。思春期を迎え、成長に伴い感受性が強くなり、価値観の違いに周囲とのギャップを感じ、男性らしく、女性らしくといったジェンダー問題にストレスを抱える子どももいます。大きな環境の変化、価値観の違い、ギャップが生じることにより、いじめ・いやがらせ、友人関係のトラブルが起きてしまうのではないでしょうか。もちろんこれは、中学校の中だけの問題ではなく、多様な価値観を認め合う社会になることが必要ではないかと思います。
- Q5「学校に行きたくない経験がある」もしくは「不登校の経験がある」と回答した方にお聞きします。その際に、相談相手はいましたか。(複数回答/n=426)
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次いで、学校に行きたくないと思った経験がある方、不登校の経験がある方にその際の相談相手についてお聞きしました。その結果、「相談相手はいない」と回答した方が全体では、54.0%と過半数を超えましたが、10代~20代では40.4%、40代~50代では66.4%となり、10代~20代では相談がしやすい環境になっていると言えます。また、「相談相手」についても、40代~50代に比べ、10代~20代が全ての項目で上回る結果となっています。
- Q6「学校に行きたくない経験がある」もしくは「不登校の経験がある」と回答した方にお聞きします。その際に知りたかった情報をお答えください。(複数回答/n=426)
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知りたかった情報を聞くと、「相談できる場所」44.1%、「学校に通う以外の選択肢」39.7%という結果となりました。とくに40代~50代が多く回答しています。
学校に行きたくない、不登校の際に相談相手がいないと回答した10代~20代は40.4%、40代~50代は66.4%となり、若い世代ほど相談がしやすい環境が整ってきているようです。また、相談相手について尋ねると、40代~50代と比較し10代~20代では、全ての項目で相談した割合が高く、ここでも相談しやすい環境が整ってきたことが伺えます。知りたかった情報として、相談できる場所、学校に通う以外の選択肢については、40代~50代に比べ、10代~20代の割合が低い結果となりました。相談しやすい環境が整ってきたことはもちろん、学校、家以外の第三の場所としてのフリースクールの認知、オンライン学習の一般化、学校に通う以外の選択肢を持ちやすくなってのではないでしょうか。
- Q7友人関係のトラブルや勉強や体調などの何らかの理由で不登校せざるを得なくなった場合、あなたはその後復学するべきだと思いますか。(単数回答/n=600)
- Q8前問で回答した理由をお答えください。(自由回答/n=600)
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【復学すべきだと思う理由】
- 問題が克服できたら、ゆっくりでも良いので復学して欲しい。(27歳/男性)
- 自分も、苦しくても学校に行って卒業した経験があって、その経験は人生のプラスにもなっているから。教室でなくてもいいから、人生経験として行って欲しいと思う。(28歳/女性)
- 苦しかった状況をなるべくなら乗り越えてほしいから。ただ、必ずしもそれができるわけではないから、転校などの別の方法も考えて。(42歳/男性)
- 本人が可能なら、できれば復学して欲しいとは思います。学びは続けて欲しい。(55歳/女性)
- 学校は子どものころしか行けないところだから。(15歳/女性)
【復学しなくても良いと思う理由】
- 勉強が全てではないから。(16歳/女性)
- 原因にもよるが、学校の規則に悩むならば別の場所で学ぶのが自然だと思うから。通常の学校以外で学ぶことはできます。(27歳/男性)
- 学校に行くことが全てではない。大学進学だけならば通信制でも十分といえる環境があるから。大学で環境が変われば、不登校から解放されることもあり得る。(28歳/男性)
- 辛いのに行くほど学校だけに意味があるとは思えないから。(14歳/女性)
- 無理に復学する必要はない。現在の学校に復学することだけが選択肢ではないと思う。(16歳/女性)
前問では、「学校に通う以外の選択肢」について知りたかったとの回答が多く集まりましたが友人関係のトラブルや勉強や体調などの何らかの理由で不登校せざるを得なくなった場合、その後復学するべきだと思うと回答した人は、計44.3%、復学しなくても良いと思うと回答した人は計55.7%となりました。半数以上の方は無理に復学しなくても良いと考えているようです。その理由をお聞きすると、様々な回答が集まりました。「復学しなくても良い。」と回答した方も、通信制高校など別の方法で学び続ける選択肢を提示する声も多くありました。
将来の自立に向けて必要な社会性、学力を身に付けるために最終的には小学校、中学校への復学は必要なことだと言えます。アンケートでは半数以上の方が無理に復学することはないと答え、復学するべきと答えた方の中にも、無理はするべきではないと答えた方が多くいました。不登校の原因は人間関係、家庭環境、学校への不信感など様々な要因があり、当事者だけでの解決が難しいのも事実です。フリースクール、カウンセラーのような第三者に介入をしてもらいながら無理をせず復学、高校への進学を目指してもらいたいと思います。また、不登校を解決し、復学や進学、夢を叶えた方の声がもっと広まれば、周囲からの理解も得やすく、解決の手助けになるのではないでしょうか。
調査の方法インターネット調査
調査機関株式会社プレマシード
調査の対象全国の10歳~29歳の男女300名、40歳~59歳の男女300名
有効回答数600名
調査実施日2023年6月3日(土)~6月5日(月)
掲載日:2023年06月
メディア紹介
オフィシャルサイト
10代の若者の学びへの価値観や彼らが抱える悩みへの認識には世間との大きなギャップがあります。この問題を解決に導くため、みんなでもっと自由に語りあえるようになれば今よりもちょっとだけ良い世の中になる気がする、そんな思いでさまざまな立場からのリアルな声を届けていきます。
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中学生になると、小学生から様々なことが大きく変化します。コミュニティーが大きくなり、多様な人と接する必要が増え、大人になるのだからと自立を求められることが多くなります。多くの人が集まる環境が苦手、自分の意見を言うことが苦手という子どもには、難しい環境に置かれることになります。また、思春期を迎え、成長に伴い感受性が強くなり、価値観の違いに周囲とのギャップを感じるようにもなります。小学生から中学生になり、環境の変化に戸惑い不登校になってしまった子どもも中学2年生まではなんとかしてきたけれど、いよいよ高校進学が迫り、自立を強く求められ、先行きが見えない、気持ちも追い込まれてしまうという時期なのではないでしょうか。